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W/O/Wエマルションカプセル製剤による肝動注治療研究

 肝癌の治療法の一種である肝動脈薬物投与療法では、水溶性の抗がん剤等を投与しますが、抗がん剤が全身に広がるため、癌組織以外の正常組織にも影響が出て、副作用が生じる問題があります。この問題点を克服するために水溶性抗がん剤のカプセル化、癌組織に抗がん剤を選択的に集積させるターゲティング化、効果向上の為の粒子径の精密制御(均一化設計)、の実現が期待されていました。

 宮崎医科大学東秀史、瀬戸口敏明らの研究により、SPG膜を応用した二重乳化技術(W/O/Wエマルションカプセル)を使用することで、癌組織への抗がん剤の集積性を向上させるとともに、副作用が軽減されることが示されました。

 現在、宮崎県都城市 メディカルシティ東部病院(病院長 肝がん治療センター長 東秀史先生)で、実施されています。
 http://メディカルシティ東部病院/肝がん治療

 SPG膜を応用した二重乳化技術は、細孔径が均一なSPG膜を用い、液滴径が均一なW/O/Wエマルションカプセル製剤を得て、肝癌の肝動脈薬物投与療法に用いるものです。

 臨床応用研究の結果、抗がん剤の副作用が少ないこと、腫瘍部が10cmに及ぶものや原発部位が数十カ所に及ぶ多発性肝臓がんにも効果があること、3年生存率69.8%、Stage IV症例の3年生存率58.2%の成績を得ていること、等の結果が報告されています。

<特徴>
 1. 各種水溶性抗がん剤を含むW/O/Wエマルションカプセル製剤が容易に調製できる。
 2. エマルションの液滴径は均一でありその径を精密制御できるので、がん部位の血管内壁への沈着を飛躍的に高める事、抗がん剤の血中濃度を制御することが可能である。
 3. 水溶性抗がん剤のカプセル化により、がん部位以外への抗がん剤の作用が抑えられ、抗がん剤による副作用が抑制されるので、患者の身体的負担を軽減することが可能である。 

<データ>