○ ホルムズ海峡での日本タンカー被弾か!?
(日本のオイルシーレーンの弱点)
佐藤正久ツイッター@SatoMasahisa
28日午前0時半頃、商船三井所有のタンカー、エム・スター号がペルシャ湾の入り口にあたるホルムズ海峡で、外部からの攻撃を受けたようだ。報道によると、船員が水平線上に光が走るのを見た直後に、右舷後部で爆発があり、船橋の窓ガラスが割れ、一部扉も吹き飛び、乗組員1名が負傷したという。
同社は外部からの攻撃の可能性が高いとする見方をしているが、現在、UAEのフジャイラ港に入港し、細部確認している由。
そもそも、ホルムズ海峡は戦略的要衝で、イランとオマーンの間に位置し、ペルシャ湾内で原油・天然ガスを積み込んだ各種タンカーは、必ず通らないとインド洋に出ることの出来ない、チョークポイントと言われる重要な場所だ。
幅は最も少ない場所で約33キロ、最大水深は190m、大小の島も点在している。
最小幅が約33キロということは、白紙的には、ラップ弾であれば火砲の最大射程よりも短い距離だ。即ち、緊張感が高まれば、ホルムズ海峡を通過する船は、対岸からの火砲の脅威に曝される危険性を有している。
実際、イラン・イラク戦争当時は、イランが海峡を一時封鎖した他、タンカーを攻撃したこともある。しかし、今回の事件が、イランが核開発問題で国連安保理で追加制裁を科されているとはいえ、このタイミングで日本のタンカーに攻撃を仕掛けてくる可能性は低いだろう。
ただ、我々は、このホルムズ海峡は、日本にとっての生命線であることを改めて深刻に認識する必要がある。
日本の原油の約90%がペルシャ湾岸諸国からのものだ。即ち、ホルムズ海峡が閉鎖されたら、日本への原油の90%が入って来ないと言うことになる。
更に今回のエム・スター号(インド人15人、フィリピン人16人の計31名)もそうだが、日本人船員が乗船していないタンカーも数多い。緊張が高まったら、下船する乗組員も多いだろう。(これは、日本のエネルギー安全保障政策の不備であるとの指摘もある。通常であれば、オイルシーレーンは南米含め、数本に分散しておくべきであろうし、外国人乗組員対策も必要だ)
現在、ペルシャ湾内のタンカーや石油関連積み出し施設やホルムズ海峡をテロ攻撃から守っているのはで多国籍海軍だ。ペルシャ湾奥のクウェート・イラク沿岸部を担当しているのが多国籍海軍CTF-158で、それ以外のペルシャ湾内がCTF-152、ペルシャ湾外の広大な地域がCTF-150だ。
この多国籍海軍に洋上で給油をしていたのが海上自衛隊だった。洋上で海自が給油支援を行うが故に、多国籍海軍は、港に戻り給油をする必要が無く、洋上で、パトロールする時間が長く確保できたわけである。
即ち海自の給油支援は、テロ対処支援と同時に、その反射的効果として日本のオイルシーレーンの安全確保にも役立っていた。
北沢防衛大臣は、着任時に海自の給油支援は評価が低い旨の発言をし、民主党政権は給油支援を中止に追い込んだ。自民党は給油支援の再開を主張し、議員立法を国会にも提出したが、民主党は反対し審議すら行わなかった。ただ、民主党の中にも長島政務官のように、インド洋での給油支援再開を主張する議員もおられる(ワシントンDCでも再開すべきと主張)。
この補給支援の中止によって、日本に対する軍事的信頼度は低下したと言われている。即ち、日本は自分の国益に直結するペルシャ湾でのシーレーンの安全確保を「自分自身ではやる気がない」、「相変わらず汗をかかず金だけ出す日本」とのメッセージを国際社会に発してしまった。
今からでも遅くない!海賊対策に参加する外国艦船に対する給油支援もよいが、やはりペルシャ湾の安全確保に寄与する給油支援も再検討すべきだ。
今回のペルシャ湾での事件は、まだ攻撃と決まったわけではないが、ホルムズ海峡は、直ぐに緊張が高まる可能性がある軍事的要衝であり、日本の国益に直接関わるチョークポイントであることには変わらない。
自民党がやってきたから「補給支援は反対だ」みたいなことはもう止めて、日本の国益上、出来ることは行うべきだ。
普天間問題の先送り、防衛白書の公表先送りや露の「対日戦勝記念日制定」への申し入れにしても見られるように、菅政権には「強い財政、強い経済、強い社会保障」のスローガンはあっても、「強い外交」や「強い安全保障」は視野にはないようだ。
波風を立てない、やるべきことをやれてもやらない、嫌なことは先送りでは、日本の国益は守ることは出来ない。
(日本のオイルシーレーンの弱点)
佐藤正久ツイッター@SatoMasahisa
28日午前0時半頃、商船三井所有のタンカー、エム・スター号がペルシャ湾の入り口にあたるホルムズ海峡で、外部からの攻撃を受けたようだ。報道によると、船員が水平線上に光が走るのを見た直後に、右舷後部で爆発があり、船橋の窓ガラスが割れ、一部扉も吹き飛び、乗組員1名が負傷したという。
同社は外部からの攻撃の可能性が高いとする見方をしているが、現在、UAEのフジャイラ港に入港し、細部確認している由。
そもそも、ホルムズ海峡は戦略的要衝で、イランとオマーンの間に位置し、ペルシャ湾内で原油・天然ガスを積み込んだ各種タンカーは、必ず通らないとインド洋に出ることの出来ない、チョークポイントと言われる重要な場所だ。
幅は最も少ない場所で約33キロ、最大水深は190m、大小の島も点在している。
最小幅が約33キロということは、白紙的には、ラップ弾であれば火砲の最大射程よりも短い距離だ。即ち、緊張感が高まれば、ホルムズ海峡を通過する船は、対岸からの火砲の脅威に曝される危険性を有している。
実際、イラン・イラク戦争当時は、イランが海峡を一時封鎖した他、タンカーを攻撃したこともある。しかし、今回の事件が、イランが核開発問題で国連安保理で追加制裁を科されているとはいえ、このタイミングで日本のタンカーに攻撃を仕掛けてくる可能性は低いだろう。
ただ、我々は、このホルムズ海峡は、日本にとっての生命線であることを改めて深刻に認識する必要がある。
日本の原油の約90%がペルシャ湾岸諸国からのものだ。即ち、ホルムズ海峡が閉鎖されたら、日本への原油の90%が入って来ないと言うことになる。
更に今回のエム・スター号(インド人15人、フィリピン人16人の計31名)もそうだが、日本人船員が乗船していないタンカーも数多い。緊張が高まったら、下船する乗組員も多いだろう。(これは、日本のエネルギー安全保障政策の不備であるとの指摘もある。通常であれば、オイルシーレーンは南米含め、数本に分散しておくべきであろうし、外国人乗組員対策も必要だ)
現在、ペルシャ湾内のタンカーや石油関連積み出し施設やホルムズ海峡をテロ攻撃から守っているのはで多国籍海軍だ。ペルシャ湾奥のクウェート・イラク沿岸部を担当しているのが多国籍海軍CTF-158で、それ以外のペルシャ湾内がCTF-152、ペルシャ湾外の広大な地域がCTF-150だ。
この多国籍海軍に洋上で給油をしていたのが海上自衛隊だった。洋上で海自が給油支援を行うが故に、多国籍海軍は、港に戻り給油をする必要が無く、洋上で、パトロールする時間が長く確保できたわけである。
即ち海自の給油支援は、テロ対処支援と同時に、その反射的効果として日本のオイルシーレーンの安全確保にも役立っていた。
北沢防衛大臣は、着任時に海自の給油支援は評価が低い旨の発言をし、民主党政権は給油支援を中止に追い込んだ。自民党は給油支援の再開を主張し、議員立法を国会にも提出したが、民主党は反対し審議すら行わなかった。ただ、民主党の中にも長島政務官のように、インド洋での給油支援再開を主張する議員もおられる(ワシントンDCでも再開すべきと主張)。
この補給支援の中止によって、日本に対する軍事的信頼度は低下したと言われている。即ち、日本は自分の国益に直結するペルシャ湾でのシーレーンの安全確保を「自分自身ではやる気がない」、「相変わらず汗をかかず金だけ出す日本」とのメッセージを国際社会に発してしまった。
今からでも遅くない!海賊対策に参加する外国艦船に対する給油支援もよいが、やはりペルシャ湾の安全確保に寄与する給油支援も再検討すべきだ。
今回のペルシャ湾での事件は、まだ攻撃と決まったわけではないが、ホルムズ海峡は、直ぐに緊張が高まる可能性がある軍事的要衝であり、日本の国益に直接関わるチョークポイントであることには変わらない。
自民党がやってきたから「補給支援は反対だ」みたいなことはもう止めて、日本の国益上、出来ることは行うべきだ。
普天間問題の先送り、防衛白書の公表先送りや露の「対日戦勝記念日制定」への申し入れにしても見られるように、菅政権には「強い財政、強い経済、強い社会保障」のスローガンはあっても、「強い外交」や「強い安全保障」は視野にはないようだ。
波風を立てない、やるべきことをやれてもやらない、嫌なことは先送りでは、日本の国益は守ることは出来ない。












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